アルコール性認知症の症状

アルコール性認知症とは アルコール性認知症に関する情報を紹介します。介護士として携わる機会のある人は当サイトを参考にしてください。併せて、転職に役立つ情報も紹介しています。

具体的な症状について

代表的な症状

アルコールの影響で脳のビタミンB1が欠乏するウェルニッケ脳症の代表的な症状の1つが、眼球運動障害です。眼球が痙攣するように動き、周囲の筋肉が麻痺します。両方の眼球を同じように動かせない注視障害を発症するケースも多いようです。意識の混濁や錯乱、昏睡などの意識障害を引き起こすこともあります。錯乱状態になると情報を正しく処理できなくなります。ふらついたり歩行が不安定になったりする運動失調も、ウェルニッケ脳症の症状の1つです。短期記憶障害や見当識障害もアルコール性認知症の症状に含まれます。時間や場所、人物のことなどが分からなくなります。意欲の低下や興奮、暴言、幻覚、脱抑制など、アルコール依存症と同様の症状も出ます。
なお、アルコール性認知症になったからといって、これらの症状が全て出るわけではありません。障害の度合いや原因によって出ないケースもあります。アルツハイマー型認知症など別の認知症と合併した場合は、他の症状も同時に出ます。

代表的な症状

暴言を吐く理由

アルコール性認知症の代表的な症状の1つが暴言です。アルコールによる脳へのダメージが、なぜ暴言につながるのでしょうか。アルコール性認知症になった高齢者は記憶力の低下や見当識障害によって自分が置かれている状況を理解できなくなり、それに対して不安や恐怖を覚えるようになります。また、自分の能力が低下したことを他人に指摘されたり、同情されたりすることに対して怒りを覚え、暴言を吐きます。
脳の前頭葉は物事の判断や感情の制御などに深く関わっています。アルコール性認知症になると前頭葉が萎縮して、感情のコントロールができなくなってしまいます。今まで気にならなかったことにも過剰に反応するようになり、怒りの感情が芽生えます。アルコール依存症の場合は、離脱症状によって自分の意思とは関係なく焦燥感やイライラが生じ、暴言につながります。
アルコール性認知症になり脳の機能が低下することで、強い妄想を抱くケースも少なくありません。この場合、「理不尽に叱られた」「悪口が聞こえる」といった勘違いをして、周囲への暴言につながります。

まとめ

以上が、アルコール性認知症の具体的な症状です。飲酒する機会が多く、上記の症状が出てきた高齢者はアルコール性認知症の疑いがあります。そのまま放っておくと症状が進んでしまうので、アルコール性認知症が疑われる高齢者には早めに医療機関を受診するようにすすめましょう。

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