対応の仕方や相談機関
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対応の仕方
アルツハイマー型認知症のように徐々に進行するのではなく、突発的に症状が出る可能性もあるので、多量の飲酒が習慣化していてアルコール性認知症の予兆がある高齢者に対しては早めの受診をすすめましょう。症状が重くなってからでは治療が難しくなります。
また、アルコール性認知症になる高齢者の多くは孤独な環境に身を置いており、それをきっかけに多量の飲酒をするケースも少なくありません。近くに家族がおらず独居の場合や、家族がいても放置されているような状態だとリスクが高くなります。なるべく1人にせず、人と関わる機会を増やすようにしましょう。飲酒によって問題を起こす高齢者が身近にいるなら、民生委員などに報告することも検討してください。地域包括支援センターの職員が対応してくれます。
医療機関で治療をしても症状が改善せず、家族だけで対応することが難しいのであれば介護保険や相談機関を利用してください。介護負担が大きい状態が続くと高齢者本人だけでなく周囲も疲弊して、そのまま取り返しのつかない状況に陥ってしまうかもしれません。
相談機関
相談機関としてまず挙げられるのは、保健所です。あらゆる相談に応じていますが、アルコールに関するトラブルの相談も受けつけています。相談は電話や面談によって行われ、その際は医師や保健師などの専門職が対応します。状況に応じて、保健師が家庭に訪問してくれるケースもあります。直接顔を合わせて相談したいのであれば、事前に予約をしておきましょう。自分の担当地域の保健師と会っておけば、その後の対応もスムーズに進められます。
精神保健福祉センターも相談機関の1つです。各都道府県や政令指定都市に設置されており、精神面の健康における相談に応じてくれます。アルコールに関わる健康障害の相談にも対応しているので、まずは近くの精神保健福祉センターチェックをしましょう。保健所と同様に、専門職が在籍しています。
こちらのページで、全国にある精神保健福祉センターの所在地や連絡先を確認できます。 |
また、自助グループやリハビリ施設を利用している人も少なくありません。アルコールの問題を抱えた当事者同士が自発的に集まり、支え合う組織です。メンバー間でそれぞれの体験を共有し、自分の抱える問題や悩みを見直して改善することを目的にしています。目的に応じた様々な組織や施設があるので、自分に合ったものが近くにあるかを事前に確認しておきましょう。アルコール依存症は自力で改善することが難しい病気です。自助グループは保健所や精神保健福祉センターとのつながりもあるので、まずは問い合わせてみましょう。
新しい環境に移りたい人へ
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限界を感じるなら転職しよう
アルコール性認知症の高齢者を支えるのには覚悟と根気が必要です。度重なる暴言などによって、限界を感じている介護士もいるでしょう。その場合は、無理せず転職して環境を変えることをおすすめします。